神岡鉄道廃線跡

 神岡鉄道はかってJR高山本線の猪谷(富山県)から奥飛騨温泉口(岐阜県)までを結んでいた第3セクター鉄道である。旧国鉄の神岡線を引き継ぎ1984年に開業したものの、わずか22年で全線廃止となった。廃線後も駅・線路などの施設は撤去されずに残り、保有していた2両の気動車KM-101/KM-151も神岡鉱山口駅に併設されている車庫(検車区)に保存された。
 神岡鉄道の保存状況は2008年、私が狭心症で入院する直前にこの目で確認しているのだが、その後はどうなっているのか、全くわからなかった。そこで休日の今日を利用して見に行ってくることにした。



↑クリックすると拡大画像で見られます

 猪谷を出るとしばらく高山本線と並走し、分離してすぐにこの鉄橋を渡ります。2008年に残っていたこの鉄橋、今はどうなったのかな、もしかしてもうなくなった?と思いきや、まだありました(嬉し涙)。

↑クリックすると拡大画像で見られます

 この鉄橋のある場所は地図上の赤線で示した所、撮影場所は🔴で示した位置。ここが富山と岐阜の県境。神岡鉄道はこの先岐阜県吉城郡神岡町(現・飛騨市)まで伸びていたので、終点の奥飛騨温泉口駅まで辿ってみたかったのだが、現在は新型コロナウィルス感染防止のため、県境を越えての移動は自粛が求められているので、今日はここまでで我慢我慢><

 ところでこの神岡鉄道、廃線後に鉄オタにとっては嬉しいゴタゴタがあった。2006年、当時の飛騨市長、船坂勝美氏が、神岡鉄道の線路を不定期の観光鉄道として存続させる道を模索する意向を表明した。この話は神岡鉄道からは施設・車両の無償譲渡、親会社の三井金属からは、経営失敗時の施設撤去に備えて15億円の寄付を受けることで合意し、鉄道復活に向けて動き出そうとしていた。しかし2008年の市長選で船坂市長は観光鉄道化を含めた当時の市政を批判する井上候補に敗北した。2代目市長井上久則氏は「15億円の寄付金は再開に向けての物とは考えていない。レールや鉄橋は撤去する」と表明し、鉄道再開はいったんは非常に困難な見通しとなった。ところがその後、2016年に都竹淳也3代目市長が就任すると、同年12月に市議会は補正予算に、廃線跡を活用した「ロスト・ライン・パーク」構想のための費用を盛り込み、シンポジウムの開催と、旧神岡鉱山前駅に保存中の車両の中の1両(KM-101)を旧奥飛騨温泉口駅に移設する事業を実施するとした。
 一方、市民団体などが運営する廃線跡を利用したレールマウンテンバイク「Gattan Go!!」(ガッタン ゴー)は2013年の利用者は26249人。2012年には鉄道の日実行委員会の日本鉄道特別賞を受賞という快挙を成し遂げ、2020年10月、廃線および構想から14年の歳月を経てついに動態保存による観光鉄道が実現した。


https://rail-mtb.com/about/history/
"https://rail-mtb.com/course/okuhida-gou/

 普通自動車の運転免許を持っていれば気動車の運転体験ができるようだ。それも(多少金額はかかるが)最終的には101/151の2両編成を本線で1.2km運転できるとのこと。老後の楽しみができた\(^ ^)/

- CafeLog -