モンゴル民族音楽(2)器楽
2018.06.01
ホーミーはモンゴルの伝統的な発声法で、舌を緊張させて立てて、口腔の中に2つの空間を作ることにより1人で2声を発しているように聞こえるものである。熟練すると甲高い笛のような音を出すことも可能である。この演奏はホーミーによる歌の伴奏というより、馬頭琴2重奏+ホーミー(という楽器)による器楽アンサンブルに聴こえる。


馬頭琴2重奏とホーミー

馬頭琴( Морин хуур、モリンホール)は「スーホーの白い馬」でよく知られるモンゴルの民族楽器。2本の弦を馬の尾の毛で作った弓で擦って奏する点はヨーロッパの弦楽器に似ていて「草原のチェロ」とも呼ばれる。
この演奏はドルノド県第12学校のオユンバートル教諭(音楽担当)によるもので、授業が終わった後、子供たちのリクエストに応えてのことであった。



馬頭琴を演奏する音楽の先生

モンゴルの横笛、リンベ。音色はペルーのケーナによく似ています。そのためか、この楽器でアンデス地方の民謡「コンドルは飛んでゆく」を演奏してくれました。同様の楽器は東ヨーロッパのハンガリーにも存在します。


リンベ(横笛)

横に貼られた弦をマレットで叩いて演奏するこの楽器は、朝鮮半島、中国から渡ってきたものともヨーロッパのツィムバロンが元祖ともいわれる(その逆も考えられる)(*1)。この種の打弦楽器に鍵盤と打弦アクションが付いたものがクラビコード→ピアノである。


洋琴(ヨーチン)

(*1)かってのモンゴル(1206~1388)は、現在のモンゴル国の国土に加え、ロシアの南半分、東ヨーロッパの一部、中国のほぼ全土、朝鮮半島を領土とする大帝国であり、その時代としては道路網・ジャムチ(宿場)も発達していたことから人の移動・物流もさかんだったので、これらの楽器がどちらからどちらへ伝わったものなのか、今となっては確かなことを調べるのは困難である。

- CafeNote -