ピアノ基礎(4)「ゆうやけこやけ」の伴奏を弾いてみよう
2021.11.16

 この曲は小学校学習指導要領音楽では第2学年の歌唱共通教材となっています。ここではグランドピアノの表現力を使って音楽で情景を描写することをやってみましょう。
 教科書の楽譜は以下のようになっています。



図11.ゆうやけこやけ

 音楽を聴いてどんな情景を思い浮かべるか、同じ音楽でも聴く人によって様々ですが、ここでは前奏の3小節でお寺の鐘がボーンと鳴って遊び疲れた子供たちが歩いて家に帰ってゆく様子を表すことにしましょう。グランドピアノのペダルを活用します。


図12.グランドピアノのペダル

 図12.のようにグランドピアノには3つのペダルがあります(古いタイプの楽器は2つ)。3本のピアノの名前と役割は次のとおりです。
①ダンパーペダル・・・このペダルを踏むと鍵盤から指を離しても音が持続する
②シフトペダル・・・このペダルを踏むとピアノのアクションが横にずれて音色が変わる
③ソステヌートペダル・・・1音だけが持続するペダル
 たて形ピアノは②のペダルはソフトペダルと呼ばれ機構が異なります。また③の位置にあるペダルは弱音ペダルなので役割が全く異なります。

図13.ダンパーペダルの記号

 ピアノの楽譜では図13のような記号を見かけることがあります。左のマークはpedalの省略で、ダンパーペダルを踏む指示です(手書きするときは P と書きます)。右のマークはダンパーペダルを離す指示です(手書きするときは × と書きます)。
 シフトペダル(たて型ピアノならソフトペダル)を踏む/離すについては次のように書きます。
   una corda ・・・ シフトペダルを踏む
   tre corda ・・・ シフトペダルを離す
 では、ダンパーペダルとシフトペダルを使って、ゆうやけこやけを弾いてみましょう(図14)。


図14.ゆうやけこやけのペダリング

 ひとつ注意することはシフトペダルは弾く前に踏まないと効きません。そこでこの最初の3小節の前奏は次のように弾くことになります。
 (1)シフトペダル(ソフトペダル)を踏む
 (2)1小節目の低音のドを弾く
 (3)指を離す前にダンパーペダルを踏む
 (4)ダンパーペダルとシフトペダル(ソフトペダル)を踏んだまま以降を弾く
 さらにグランドピアノで弾くなら、シフトペダルを踏んで最初の低音のドを弾いた後、3小節までの間に少しずつ離します。これはグランドピアノならではのシフトペダルの使い方でたて型ピアノのソフトペダルでは残念ながら同様の効果は得られません。次の動画のようになります。

ゆうやけこやけの演奏

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