相対的音感
2020.12.17

 この記事は富山大学人間発達科学部の学生の質問への答えとして書いたものです。



 ex.1の2つの音をピアノなどの楽器で演奏したものを聴き、鍵盤や奏者の手元を見ずにaがソ(G)、bがド#(C#)とわかるのを「絶対音感がある」といいます。
 それに対しex.2の2つの音を聞いて、cの音はdの音より高いということがわかるのを「相対音感がある」といいます。


 相対音感というと、もう少し意味が広くなります。ex.3の上段の2つの音ミとソはどちらもド・ミ・ソという和音の構成音ですが、ex.4で示すようにミ・ソ・シという和音の構成音でもあります。曲の途中でこの2つの音が出てきたとき、どちらの和音の構成音か、曲の調(key)や曲の流れからわかることです。



 今日私たちが学ぶ音楽理論の考え方の基礎になっているものは「機能和声学」とよばれといるものです。これは簡単にいうと、たとえば「ドという音にはその調の中でドの役割がある、レにはレの役割がある・・・シにはシの役割がある」という考え方です。同じド・ミ・ソという和音でもex.5のようにハ長調の中に出てくればI度の和音という「役割」、ex.6のようにト長調の中に出てくればIV度の和音という「役割」になります。

本当の意味での相対的音感とは音楽を聴いてこのレベルまでわかることをいうのですが、これには相当の音楽理論の知識、音楽的訓練を必要とします。

ピアノ基礎(3)「かたつむり」の伴奏を弾いてみよう
2020.11.24

 この曲は小学校学習指導要領音楽では第1学年の歌唱共通教材となっています。教科書の楽譜どおりに弾くと右手は休符の箇所での手のポジション移動、同じ音が続く箇所での指のチェンジ、左手は分散和音とアルペジオ、副次的な旋律を弾くなど、上級のピアノ曲演奏のためのテクニックにつながるものが多々含まれているので、ぜひマスターしたい1曲です。
 教科書の楽譜は以下のようになっています(一部の指使いと赤い字の注釈番号は筆者が書き込みました)。


図10.かたつむり


[右手}

 この曲の右手はいちばん低い音が中央のド、いちばん高い音がそれより1オクターヴ高いドです。白い鍵盤8つ分離れていますから、基礎練習でやったドが1の指、レが2の指・・・ソが5の指では指が足りなくなってしまいます。ここでの練習ポイントは2つ。ひとつは休符(音が出ていない時間)を使って手の位置を移動すること(*1、*3)、もうひとつは同じ音が続く箇所で指を交代すること(*2、右手には2か所あります)です。

(動画)http://piano.main.jp/movie/escalgo_RH.mp4

[左手}

 左手はいちばん低い音からいちばん高い音までが白い鍵盤で11個分離れています。右手の練習でやった休符で手の位置を移動(*5、2か所あります)、同じ音の連続で指交代(*8)の他にも1と5の指を広げてオクターヴ離れた音を弾く(*4)、逆に手をすぼめて隣合った音を1つ飛びの指で弾く(*6)、1の指の上を他の指が超える(*7)が練習のポイントになります。

(動画)http://piano.main.jp/movie/escalgo_LH.mp4

完成するとこのようになります。

(動画)http://piano.main.jp/movie/escalgo.mp4
ピアノ基礎(2)左右の手で違うことをする練習
2020.11.23


6.左右の手で違うことをする練習


図8.バイエルピアノ教則本より

[動画]
http://piano.main.jp/movie/Beyer_8.mp4


7.簡単な曲をひいてみましょう


図9.ちょうちょ

[動画]
http://piano.main.jp/movie/butterfly.mp4

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