モンゴル調査研究(8)
2017.09.25
2日間の観光(ゲフンゲフン)、自由研究を終え、今日からまた学校での調査研究再開です。今回訪問するのは昨年もお邪魔しているドルノド県第12学校。今日はほとんどの時間、体育の先生方とは別行動になります。


体育の先生方は引き続き子供たちの体力測定です。↑は50m走の様子です。昨年来たときには工事中だったグラウンドが完成していて陸上用のトラックも出来ていました。昨年は↓のように(背景に注目)グラウンドがまだ出来ていなかったので、隣の廃屋化した学生寮の敷地を使って実施しました。その学生寮は今では工業技術系の専門学校として生まれ変わりました。



この学校には音楽担当の先生が2名いらっしゃるのですが、昨年授業を見せてくださったオユンバートル先生は現在日本にいらっしゃるので不在でした。そこで今年はもうひとりの音楽の先生、ムンクジャーガル先生の授業を見せていただきました。(↓の画像をクリックすると動画で見られます)



午後からはドルノド県第5学校へ行ってきました。この学校にはJICA(ジャイカ、国際協力機構)の海外青年協力隊として来ている先生がいらっしゃるときいて、お話を伺ってきました。JICAからは毎年このチョイバルサンに隊員が派遣されています。任期は2年。昨年は第12学校にも隊員として来ている先生がいらっしゃいました。教員の他、理学療法士、看護師など分野は多岐に渡っています。
今回お会いした第5学校に来ている渡辺先生はご専門は音楽ではなく算数・数学教育なのですが、授業を参観してもよい、ビデオ収録もOKということなので見せていただきました。(↓の画像をクリックすると動画で見られます)


この先生の授業を見ていて思ったのですが、「言葉の壁」がほとんどないように思えます。JICAでは派遣先の国の言葉について2か月間研修を受けてから来るのだそうですが、研修だけでなく実際にその国に住むのが外国語を覚えるのに最も効果的ということの大変よい例だと思いました。逆に考えればこのような「気付かせ」の授業は言葉が通じないからこそ可能なのだとも考えられます。


授業を見せていただいた後、渡辺先生がこの学校の中を案内してくださいました。写真左は音楽発表会に使うホールで、ダンスの練習もここを使用するようです。同等の設備は第12学校、ウランバートル第28学校にもあり、音楽教育に携わる者としては日本の学校よりはるかに進んでいる(恵まれている)ではないか!と思うところです。
写真右は資料室ですが、さながら「校内民族史博物館」。昔のモンゴルの服、子供のおもちゃ、民族楽器の馬頭琴もありました。様々な科目で民族史的資料が必要な場合に使用する教材を共有しているということでしょうか。



第5学校での見学を終え、帰ろうとしたとき、子供たちが一斉に中庭で出だしたので、何かと思ったら全校生徒揃っての体操の時間のようでした。第5学校は昨年立ち寄るだけ立ち寄ったのですが、その時にこれが終わったところに遭遇しています。昨年は「何やってんだろう?」と思ったのですがこれだったようです。(↑の画像をクリックすると動画で見られます)
スマフォ撮影なのでファイル変換した際、少々コマ飛びしてしまいました。お見苦しい点をご容赦ください)
体操といっても日本の職場の体操のような「皆で同じ時間に同じことを」して規律を保つ、というようなものではなく、音楽に合わせて各自が好きなように体を動かすことを楽しむ時間、という感じです(*1)。

(注)
(*1)考えてみればこのチョイバルサンの居住者は、モンゴル民族だけでも最も多数のハルハ族、中国系のヴァルハ族、ロシア系のブリヤート族がいて、さらに中国人、ロシア人、(韓国人もいるとのこと)が混在しているのだから、同じ音楽を聴いてもリズムの取り方、ノリがみな異なるわけで、同じ音楽で全員がピシッと動きを合わせることはそもそも無理である。

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